2013年6月8日土曜日

裁判の傍聴に行ってみた~その2~

この記事の続きです。



まずは記念すべき初の傍聴となる案件です。

1件目は時間の関係上、罪名「窃盗」の審理案件。



開始時間の10分前に法廷に向かいました。

向かったはいいものの、どのタイミングで入っていいものか。
「もしかしたら10分前でもみんな勢ぞろいしてて、入ったら白い目で見られるかも・・・。」
とかなんとか思っていると、「傍聴者入口」の扉にのぞき穴がついていました。
(横浜地裁だけかもしれませんが。)

そこから中をのぞいてみるとまだ始まっている様子はなかったので、勇気を出して入室。
空いている傍聴席に座りました。


そこそこ大きな法廷で、傍聴席は45席。


10分前の段階ですでに着席していたのは私を含め4名。

時期が時期だからなのか(6月頭)、司法修習生が4名(男2、女2)、
検察官側と弁護士側に分かれて座っていました。


することもなくぼーっとしていると、開始3分前に裁判官入室。
特に掛け声もなく突然みんなで起立。
(書記官によっては、「ご起立ください」みたいに言う場合もあった)
ちょっとびっくりしましたが遅れることなく自分も起立、礼にて着席。
緊張感が一気に増してきました。


その後、被告人が警察に同行され入室。
70歳くらいと思われるじいさんで、手錠、腰縄という格好です。

開始1分前に弁護士が入室し、審理が開始となりました。

最終的に傍聴者は私含め7名になりました。



審理の大まかな流れは、
①前回の審議からの引継ぎ事項につき、検察官が意見を述べる。
②弁護士が被告人に質問。
③検察官が被告人に質問。
④次回予定の調整
といった感じです。



本件は「窃盗」という罪名ですが、ざっくり言うと
70過ぎのじいさんがスーパーで万引きした案件です。

んで、被告人はアルツハイマーにかかっていて責任能力がない、
ということを前回までの審理で争っていたようです。



①にて検察官は、被告人がアルツハイマーであることを否定しにかかりました。
まずアルツハイマーの定義を説明し、犯行当時の行動・言動から、
「被告人はアルツハイマーとは言えない」との論法です。


②にて弁護士から30分ほど被告人に質問がありましたが、
正直意味のわからない質問ばかりで、弁護士の狙いがよくわかりませんでした。
まぁ、当日の状況を詳しく詳しく質問して、調書と齟齬がないか、ってことの確認程度です。



ここまで聞き終わった段階では、被告人は確かに痴呆に近い発言も多かったですし、
高齢で一人暮らしのじいさんが、お金に困ってスーパーで食べ物を万引きした、
という悲しい事件である印象を持っていました。

もちろん被告人のしたことは犯罪ではあるけれども・・・って感じです。

自分が裁判員だったら、情状酌量して減刑の方向へ進めようという気持ちになったはずです。




ところが③の検察官からの質問で一気に流れが変わりました。


なんとこの被告人にはかなりの額の貯金があり、
その貯金は国債・オーストラリアドルへと投資されていたとのこと。
家は持ち家で、しっかり年金も受け取っている。

少なくともうちの両親よりずっとお金持ちでした・・・。


しかし、貯金通帳からはお金が引き出された痕跡がないということです。

このことから検察官は、「万引きは今回だけじゃないだろ!」
といった論調で被告人へ質問を始めました。


弁護士の質問には丁寧に答えていたのに、
貯金や投資の話が出たあたりから被告人の様子が急変し、
「わからない」という回答ばかりになりました。

終盤には大声を出して検察官を威嚇しだしたりもして、
(当然裁判官から怒られていました)
さっきまでの「気弱でかわいそうなおじいさん」という印象は吹っ飛んでしまいました。



以上、30分ほどの検察官からの質問が終わり(ほとんど回答は得られていませんでしたが)、
最後に次回の審理の日を相談です。

次回は検察官が精神科の医師を連れてきて、
法廷の場でアルツハイマーの診断をするそうです。



以上、1件目の傍聴記録でした。

まだ続きます。次回は明後日です。

【裁判傍聴記事】
その1
その2
その3
その4

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