2024年株主提案第4弾は9274_KPPグループホールディングスです。
当社は私の主力銘柄ということもあり本日の株主総会はオンラインで参加していましたので、株主総会で気になったコメントも含めて紹介します。
まずは当社の株主提案の内容から。
株主提案日:2024/4/11
株主提案受領発表日:見解発表日同日
会社見解表明日:2024/5/14
株主総会日:2024/6/27
株主提案受領発表日:見解発表日同日
会社見解表明日:2024/5/14
株主総会日:2024/6/27
提案者:個人株主
株主提案内容:剰余金処分の件
株主提案内容:剰余金処分の件
総還元性向[100×(配当金支払額+自社株式取得による支出)÷当期純利益]100%を企図した議案になっています。当社はすでに2024年3月期において中間配当と自社株買いを行っているので、当期純利益から中間配当及び自社株買いに要した金額を控除した残りを全部期末配当にせよ、という提案です。
提案の理由は以下の通り。
- 東証通知を受け「PBR1 倍超えを目指す」旨の宣言(2023 年 3 月期決算説明会、2023 年 6 月 7 日)があったが、通知発出日より今の方がPBRが低くなっている
- この1年で日経平均株価は44%も上がる絶好の相場だったのに当社の株価10%しか上がらなかった一方、BPSは20%以上増加したためPBRは低下した
- 絶好の相場なのにPBRが改善しなかったことから、株価を頼りにPBR上昇を目指すのは現実的ではない
- 純資産の圧縮に抵抗があることは理解するからせめてBPSをこれ以上積み増さないよう、配当性向100%とせよ
本提案に対し会社は当然反対しましたが、その理由は以下の通り。
- 当社は、東証が指摘する資本コストを上回る収益を上げており、株価が十分に上昇していないのは、成長投資が今後も必要という市場からのメッセージと理解している
- 次年度以降も成長投資へのキャッシュフローアロケーションを実行する方針に変更はない
- 当期は配当金と自社株買いと合わせると総還元性向は 34.4%と十分
若干言葉遊びっぽくなっていますが、まぁ一応回答としては成り立っているように思います。
提案者は提案文の中で散々東証の通知を引用していたので、逆に首を絞めてしまった感じでしょうか。
とはいえ、当社も今回このような理由付けをしたわけですから、今後業績が低迷して収益が資本コストを下回った場合、今度は会社側が首を絞められる番でしょう。
また、会社の回答において「次年度以降も成長投資」する旨の記載がありましたが、具体性に乏しく説得力に欠けていました。
その点について、本日の総会で田辺会長より以下のように結構具体的なコメントがありました。
田辺会長:インサイダーにも関わるので具体的なことは言えないが、今までは全部パッケージ形とビジュアルコミュニケーション系の会社だけだったが、M&Aのターゲットが少し変わってくるかもしれない。国内事業として回収事業があるが、今後は紙だけではなくペットボトルやスチール缶を含めた総合的な回収事業へともう少し幅を広げていく。投資する金額についても今後考える。
総会では当然のごとく、株主提案は否決されました。
上記以外にも、株主総会では田辺会長から今後の戦略について色々と示唆がありました。
「紙パルプ業界にネガティブなイメージがあり、業績が株価にリンクしていない。当社は海外にシフトしていてまだまだ成長過程にある。紙パに対するイメージ払拭のための情報発信が足りていない。」とのコメントもありましたので、今後の情報発信にも期待です。
また、「当期は配当金と自社株買いと合わせると総還元性向は34.4%」との説明でしたが、2025年3月期は配当だけだと予想EPSベースで総還元性向18%程度です。
自社株買い、期待しています。
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