2012年8月7日火曜日

医薬品卸の崇高な事業戦略

医薬品卸が「薬を配達する」という、
宅配業者にも遜色ない「崇高な社会的使命」を掲げ、
お上に泣きついている構図は下記記事で記載いたしました。
医薬品卸の崇高な社会的使命

なお、やり取りの議事録は下記にUPされております。
第18回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録


医薬品卸と調剤薬局のその後を調べました。



そもそもの経緯はこの記事を。
調剤薬局と卸は利益を奪い合っているような状況ですが、
近年調剤薬局が大型チェーン化し力をつけたことに伴い、
相対的に卸の価格交渉力が低下してしまいました。

その結果、この世の春を堪能する調剤薬局に対し、
辛酸を舐めさせられる結果となったのです。



この記事でも書いたとおり、大手卸の2011年度決算はひどいものでした。
2012年度もほぼ同様の決算内容でした。
(対照的に、調剤薬局業界は2011、2012と好調そのものでした。)


そんな中、2012年3月に上記の懇談会が行われました。
懇談会後、業界はどうなったのでしょうか。
2012年4-6月あたりの決算内容を見てみましょう。



まずは医薬品卸の大手三社。

●メディパルホールディングス

●アルフレッサホールディングス

●スズケン


絶好調です。
(スズケンは元が酷すぎるだけに見栄えはよくないですが、
改善度合いはかなりのものです。)

前回は泣き言を垂れていたのに、今回はキリっとカッコいいこと言ってくれてます。




一方、調剤薬局業界はどうでしょう。

まずはこれまでどれほど順調だったか、という視点で、
上位五社の2007~2012年度までのEPSの伸びを見てみましょう。
(2007年度のEPSを100として計算)


*2012年度のメディカルシステムネットワークは決算期変更により比較不可

この世の春でしたね。

それが2013年度第一四半期はどうなったでしょう。
上位五社について、純利益を2012年度第一四半期と比較してみると、


*アインファーマシーズは決算時期の関係上、まだこの辺の時期の決算は出てません。
*メディカルシステムネットワークは短信には上記情報はなく、説明資料参照。


悲惨ですね。。

各社「薬価改定が・・・」と説明していますが。。


ちなみにここ6年ほどの四半期ごとのデータをグラフ化してみてみると。
(メディカルシステムネットワークは決算時期の調整が面倒なので大手4社で。)



第一四半期のみに絞ってみると。

これらは色々な読み方ができるかとは思いますが。


ま、何にせよ、お上を始め業界関係にうまーく立ち回った、
崇高な医薬品卸は業績を大きく改善させました。

めでたしめでたし。
This is Japanですね。

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