2012年8月19日日曜日

21世紀の株式アノマリー:ハロウィンで買って桜で売れ

なんとなくアノマリーが気になったので調べてみた。

とりあえず「株 アノマリー」みたいな感じで検索したら、
下記のような表が。

【月別アノマリー】
 1月:1月の株高
 2月:節分天井
 3月:彼岸底、決算対策売り
 4月:4月の株高、新年度相場
 5月:鯉のぼりの季節が過ぎたら株は売り
 6月:梅雨調整
 7月:サマーラリー
 8月:お盆閑散相場
 9月:彼岸底、決算対策売り
10月:頭を垂れる稲穂相場
11月:ヘッジファンドの決算月
12月:12月の株安、餅つき相場


確かに聞いたことがあるような言葉ばかりですが、
鯉のぼりとか稲穂とか餅つきとか、昭和の臭いがぷんぷんします。

本当に今でも通用するアノマリーなんでしょうか。



ということで、2001年以降のデータを集計し、
21世紀版株式投資アノマリーを調べてみました。

対象データは、2001年1月~本日までの日経平均株価です。


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【2013/6/12追記】
JASDAQ(小型株メイン)を対象に調べた記事はこちらになります。
あわせてご参照ください。
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早速データを。

X月の変動率(%)は、X月初営業日~翌月初営業日までの変動率を表します。
エラーバーは標準偏差です。



ふむふむ。
12月が最強、1月が最弱か。



ん??

12月の株安、1月の株高ではなかったの??

下記のような説明もあるけど。




『12月の株価は安く、1月の株価は高い』
12月も10月と同様に、大口投資家の節税対策による売りが出ます。また、クリスマス休暇で低調な動きになりやすいのです。1月はその反動で高値をつけやすくなります。このアノマリーも合理的な説明のつくものといえるでしょう。

『節分天井、彼岸底』
前年末の反動で値上がりした株価も節分(2月3日)のころには天井を打ち、彼岸(3月20日)のころに底値になるということ。なぜ節分のころに天井を打つのか、合理的な説明はないのではないでしょうか?一方、彼岸のころの底値は、年度末を前に売りが増えることから株安になりやすいと説明することができます。

(ちなみにこの木下氏のページ、「株 アノマリー」で検索するとトップに出てきます。)

21世紀は全く逆に動いていますね。

「12月は節税対策やクリスマス休暇で低調」どころか、最も高い上昇を見せてます。
「節分の頃に天井を打ち」どころか、「節分の頃に底値をつけ」のが適切なようです。
3月は「年度末を前に売りが増える」どころか、2番目に高い上昇率をつけております。


やはり昭和の頃とは違うんですかね。
(昭和の頃に出来たアノマリーかどうかは知りませんが。)

色々なサイトを見ても、「12月は節税売りで株価は下がる」とされてます。



月別で見てみましたが、さすがに毎月買ったり売ったりは大変なので、
もう少し大きなスパン、四季毎の変動率を調べてみました。


言うまでもなく、春は3-5月、夏は6-8、秋は9-11、冬は12-2です。
春のみ2001-2012年、それ以外は2001-2011のデータです。

春冬が強く、夏秋が弱いということでしょうか。


ただ、2001-2012年を振り返ってみると、いわゆる「100年に1度」といわれる、
リーマンショックが起こっていますね。

このリーマンショックとその反動相場の影響を除いてみるとどうなるでしょう。

データを見ると、2008年9月~2009年5月の変動率は
各月7.5%以上(小数点第2位以下四捨五入)と大きな数字を示しているので、
この期間(四季別にみると、2008年秋~2009年春)をリーマンショック影響期として、
はずれ値としてデータから除いてみましょう。

すると。。。


なんということでしょう。
春と秋の動きはほとんどないことがわかりました。
(2008年秋は-34.6%、2009年春は+32.9%で、これらの影響が大きかった)

一方、冬の上昇率は一層上がりました。



ちなみに、リーマンショック影響期を除いた月別データは下記です。


とりあえず21世紀については、
夏は下がり、冬は上がる
というのが傾向のようです。


さて、まとめてみると、21世紀における月別アノマリーは下記のようになります。
21世紀平均で1%以上動いた月には昭和臭くない名称をつけました。



【21世紀版】月別アノマリー

 1月お年玉貧乏相場↓↓
 2月バレンタインで浮かれる相場  
 3月:
 4月:
 5月:5月病相場            
 6月:
 7月:イベントで株どころじゃない相場
 8月:夏バテ相場            
 9月:
10月:
11月:
12月:サンタさん相場          ↑↑
7月は七夕(東北以北除く)、祇園祭(京都)、ナーダム(モンゴル)、隅田川花火大会(東京)と各地でイベント目白押しなので。。



従って、21世紀版アノマリーに基づいた投資行動は、


「街がハロウィンで飾り付けられ始めたら徐々に買い始め、
ハロウィン終了とともに買いも終了する。」

「桜が咲き始めたら徐々に売り始め、
散るとともに全て売り切る。(道民は除く)」
 

つまり、「ハロウィンで買って桜で売る(道民は除く)」


が正解かもしれません。
具体的には10月に買って4月に売り切るという感じです。


ただし、北海道では桜が散る頃に売り切るのでは遅いので、
「道民は桜が咲く前に売り切る。」としましょう。


※投資は自己責任で。(お決まり文句)

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